零度の華 Ⅱ
まぁ、これ以上何言っても無駄だな
『ムキになる必要ないだろ。あたしはあたしなりの見解を述べただけなんだ。特に参考にもならなかっただろうけどね』
腰を上げて鉄格子に近寄れば必然的に鷹見との距離も縮まることになる
あたしは中腰になり鷹見と目線を合わせた
『零(ゼロ)は案外近いところにいるかもしれない。精々頑張ってね』
ニコッと笑って見せれば鷹見から離れて、再びベットに腰を下ろした
それからはどちらとも口を開くことがなく、話すことはないと判断した鷹見はあたしのもとから去っていく
次の日、鷹見と再び話をしようとしたが鷹見の部下曰く、今日は警視庁の方へ行って現在ここにおらず、帰ってくるのは夜だとのこと
話し相手がいないと先日の生活に元通りじゃないか
『ねぇ』
「何だ」
あたしは鷹見の部下に話しかけた