零度の華 Ⅱ
『あたしの相手してよ』
「俺にはそんな暇はない」
断って去っていく男を、あたしは彼が足を止めるだろう言葉をかける
『知りたくない?』
男は足を止めて振り返る
「何をだ?」
『零(ゼロ)の情報』
「どうせ、昨日と一緒だろ」
『まぁ、聞くか聞かないかは自由だ。決めるのは貴方だから、止めることもしない』
あたしと向き合う形の男は悩む
昨日と同じという確証もなければ、くだらない事だという確証も持てない
でも、もし零(ゼロ)の情報が役に立つものだったら警察側としては願ったり叶ったり、零(ゼロ)を捕まえることが出来るからな
さぁ、どうする?
男と目が合ったので微笑んで見せた
男は懐疑の目を向ける
そして、出した答えは話を聞くという決断だ
良かった、話し相手となってくれて