零度の華 Ⅱ



『あたしの相手してよ』


「俺にはそんな暇はない」



断って去っていく男を、あたしは彼が足を止めるだろう言葉をかける



『知りたくない?』


男は足を止めて振り返る



「何をだ?」


『零(ゼロ)の情報』


「どうせ、昨日と一緒だろ」


『まぁ、聞くか聞かないかは自由だ。決めるのは貴方だから、止めることもしない』



あたしと向き合う形の男は悩む

昨日と同じという確証もなければ、くだらない事だという確証も持てない


でも、もし零(ゼロ)の情報が役に立つものだったら警察側としては願ったり叶ったり、零(ゼロ)を捕まえることが出来るからな




さぁ、どうする?



男と目が合ったので微笑んで見せた



男は懐疑の目を向ける



そして、出した答えは話を聞くという決断だ





良かった、話し相手となってくれて



< 234 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop