零度の華 Ⅱ
『約束』
「あぁ?」
『ここにいる約束だろ?どんな情報でも話したのに変わりはないんだから』
「チッ」
大きな舌打ちをすれば、再び鉄格子に背を預けるのだった
口約束をちゃんと守ってくれるなんて律儀なもんだな
破ってもいいもんなのに
そんなこと口にしたらコイツは素直に出て行くので止めておこう
相手がいないのはつまらないから
『聞きたいことがある』
「何だ?」
『名前は何て言うの?』
「教える必要はない」
『名前知らないと不便だろ』
今のところ知っているのは鷹見と女警官の佐々木って奴の名前だけ
後2人男の警官がいて1人はコイツ、もう1人は鷹見と一緒に学校へ来た奴
2人の名前だけが知らない
聞いたところでどうにかなるわけじゃないが、あたしに関わる者の名前ぐらいは知っておきたい
「適当に呼べばいいだろ」
『じゃあ、無能って呼んでいいわけ?』
「つくづく解せない野郎だな」
『あたし女』
「チッ。.........仙道‐センドウ‐だ。それ以上は言わねぇ」