零度の華 Ⅱ





『苗字だけで十分だ』


呼ぶことはできる

それに、苗字さえ分かってしまえば調べるのは容易いこと


あたしの手に掛かればすぐに情報が手に入れられる


それは後からゆっくりするとして、あたしは幾つか聞きたいことがある



鷹見がいない今がチャンスなんだ




『仙道』


「仙道さんだ。呼び捨てされる筋合いはない。それに俺はお前より年上だ、敬語を使え」



めんどくさい奴だな


年上だからといって威張る必要があるのかが疑問だ




この世界が求めて得をする者は能力があるかないか、ただそれだけ


年上云々という問題にはならない

それに、敬語は敬うために使うのであって敬いたくない奴に使う必要はない



『敬う義理はない。それより、お前達部下は鷹見のことどう思ってんだ?』


「おい、人の話を聞け。敬語を使えと言っているだろうが」



チッ、面倒な奴







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