零度の華 Ⅱ
最年少で警視庁へ入り、そしてたった1年足らずで警部に昇格となれば尊敬よりも恨みや妬みを買うと思ったが、そうでもなかったようだな



部下に慕われているようで何よりだ

一部では恨みや妬みを買っているようだがな




『そうか』



昨日、コイツも鷹見の話を聞いたはずなのにそれでも付いて行くと強い意志を持てるのか


あたしには理解し難いことだが、もうこれ以上は聞くことをしない


しつこく聞かれるのは相手も望まないから




『零(ゼロ)の捜査は進んでいるのですか?』


「進んでいたら今、こんな無駄なことをしてない」



無駄なことってあたしの前で言うか?

こっちも無駄な時間を過ごしているんだよ


こんな暇な時間を過ごしたことは今までない


我慢はしたくない質なんだ、早く出してほしい



だからといって零(ゼロ)の情報をすんなり渡すわけにもいかない

捕まりたくない



心の内ではぁと1つため息を吐いた



『もう、零(ゼロ)の捜査なんて止めてしまえばいい』


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