零度の華 Ⅱ

飛行機で辿り着いた場所はフランス、パリ



空港で鼠(マウス)からアタッシュケースを受け取ると、外へと足を踏み出した


周りを見渡すと不審な男がいる



辺りをキョロキョロと誰かを探す素振りをしているのは、間違いなくジェットだ



『ジェット』


名前を呼べば、ジェットはあたしの方向へと目を向ける




「刃(ラム)。久しぶりだな」


『半年しか経ってないだろ』


「半年"も"、経ったんだ」


『どうでもいいが、荷物乗せてくれ」


「どうでもいい...って」



呆れながらため息をつくと、後部座席のドアを開けるジェットを横目に荷物を車へ積むあたし


積み終われば、さっさと助手席へと乗り込んだ


後に続き、ジェットは運転席へと座る



言葉を発することなく車は発進し、ENFER(アンフェール)へと向かった




「刃(ラム)、1つ聞いていいか?」


『何だ?』



走行中に話をかけてきたジェットは前を向いたまま

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