零度の華 Ⅱ



中心を打ち抜いた後にバタンと倒れ落ちるのを確認できれば、まだこの拳銃の威力の大きさは健在だと言い切れる



体の痺れがこないということは、この拳銃はあたしを認めたということか


ニヤッと怪しく笑う




「使いこなしているな。この前来たときとは違うじゃないか」


「普通だったら失敗すると思うんだけどね。驚いた」




強化ガラス越しにあたしを見る3人

研究員は大袈裟に驚いている



失敗してもおかしくない状況で成功させた

ただそれだけなのに、驚くことか?



あたしは零(ゼロ)だ


零(ゼロ)に不可能はない




あたしは強化ガラス越しに見る研究員を目掛けて銃口を向ける



怯える研究員を他所に、あたしは引金を引いた



バーンッという音を立てた後、バリンッと鈍くも少し高めな音を出し、ガラスが割れる音が響く

ジェットは身を(てい)してライトを守るため、ライトの前に出て腕で顔を隠す


< 264 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop