零度の華 Ⅱ
中心を打ち抜いた後にバタンと倒れ落ちるのを確認できれば、まだこの拳銃の威力の大きさは健在だと言い切れる
体の痺れがこないということは、この拳銃はあたしを認めたということか
ニヤッと怪しく笑う
「使いこなしているな。この前来たときとは違うじゃないか」
「普通だったら失敗すると思うんだけどね。驚いた」
強化ガラス越しにあたしを見る3人
研究員は大袈裟に驚いている
失敗してもおかしくない状況で成功させた
ただそれだけなのに、驚くことか?
あたしは零(ゼロ)だ
零(ゼロ)に不可能はない
あたしは強化ガラス越しに見る研究員を目掛けて銃口を向ける
怯える研究員を他所に、あたしは引金を引いた
バーンッという音を立てた後、バリンッと鈍くも少し高めな音を出し、ガラスが割れる音が響く
ジェットは身を挺してライトを守るため、ライトの前に出て腕で顔を隠す