零度の華 Ⅱ

「早く来いよー」


「待ってよー!」



あたしの横を通り過ぎようとしたとき、後ろを走る男の子が転んでしまった


すぐに立ち上がるも、膝を擦りむいたようで顔を歪めて傷口を見ていた



泣くのを我慢しているように見える男の子の前に、あたしはしゃがみこんでポケットからハンカチと絆創膏を取り出す

ハンカチで膝についた砂や埃を叩き、傷口に絆創膏を貼ってあげる




『これで大丈夫。友達のところへ行きな』


「うん!!」



頭を撫でてあげれば、歪んだ顔はパァッと笑顔に変わる


走って友達のもとへと行く後ろ姿を見送る



途中立ち止まり、あたしの方へ振り返る




「ありがとう、お兄ちゃん!!」


小さな手を大きく振る男の子に、笑顔を見せ小さく手を振ると、満足そうに走り去っていった


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