零度の華 Ⅱ

もしも、見逃してしまっているのならば聞いていたほうがいい


そう思いながらも、亜紀の方からテレビに顔を移した



亜紀は未だにあたしを目に映しているのだと、視界の中に捉え、見えているのでそう判断できる




『空港近くで男1人が倒れていたから、ニュースになっていないかと思ってな』


「それなら、先程速報として流れていましたよ」




その言葉を聞いてテレビへの興味は一気になくなり、亜紀と視線を交わす




『詳しく教えろ』


「何者かに胸を一刺しされていて、病院に搬送されましたが死亡が確認されたそうですよ。確か、毒を塗られた刃物で殺されたということでした」



それを聞いて満足し、心残りが無くなったあたしは欠伸を一つ零した



「目撃者の証言によりますと、刺された男は死ぬ前に女といたという話です。貴女ですか?」



"まさか"や"もしかして"の前振りなんてものはなく、肯定された一言


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