零度の華 Ⅱ
「では、何故です?」
『アレが成長し、親があたしに殺されたと聞かされた時、どうするか楽しみじゃないか』
「相変わらずですね。橘ヒロを殺した後、その子は施設に預けるのですか?」
『そんなことするわけなだろ。引き取られると後が面倒だろ』
「育てる気ですか?私は反対です。子供の重りをする気はありません」
亜紀はあからさまに嫌な顔を見せる
あたしは亜紀のその顔を見て、視線を未だに何も知らずに寝ている赤ん坊に移した
さぁ、どうするか
あたしも育てるつもりは全くない
引き取ってくれそうな奴もいない
亜紀から遠ざかり、赤ん坊の傍に寄り、あたしは怪我のしていない右手で赤ん坊の頬を触れる
汚れの知らない白い肌、何の知識も持たず純粋で美しく、そしてあまりにも可哀相だ
「それで、どうするおつもりですか?」
『さぁ、な。今、あたしがやるべきことは橘を殺すことだ。コイツのことは後回しでいい』
「後回しにできることでもないでしょう。だいだい、わざわざ生かす必要が何処にあるというのですか?殺してしまえばいいものを......」
『ゴチャゴチャうるせーな』
眉間に皺を寄せて亜紀に視線を向ければ、亜紀は嫌なものを見るようにしてあたしに視線を向ける