零度の華 Ⅱ


遠藤は鷹見の部下であり、鷹見と一緒に学校に来た奴だ


「お前、俺だと分かってこの場所を選んだのか?」


『フッ、だったら?』



遠藤は今すぐにでもあたしを殺しにかかってきそうな目をするも、感情に流されぬようにと自分を抑えようとしているのが見て分かる


「何故、有沙‐アリサ‐を殺した」



金木‐カネキ‐有沙

遠藤の婚約者だった女

その女を殺したのはあたし


遠藤のことを調べているとあたしが遠藤の婚約者を殺していることが分かった


最初は名前を見ても思い出せなかったが、そいつの写真を見て、やっと思い出した



あたしがまだ依頼を受けて殺しをし始めたての頃、当時のあたしの年齢は12歳

一般ではちょうど中学を入学する時期だと思う



"殺してほしい"という依頼を300万円で受けた


何故、港にしたのかはよく覚えていない

だが、その日が満月だったということは覚えている



「おい!聞いてんのか!?何故殺したんだ!答えろ!!」



そんなに叫ばなくても聞こえている


『依頼だよ。それ以外、ない』


「依頼者は誰だ?依頼内容は?」



コイツ、いつか人を殺すんじゃねーの?

遠藤の目は依頼した相手を"捕まえる"というより"殺してやる"と言っているようだ

< 405 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop