零度の華 Ⅱ



『教えねーよ』


「今更お前がプライバシーの保護だなんて言うのか?ふざけるな」



その言葉にイラッとした

別にプライバシーの保護だなんて言わねーよ


依頼者の情報なんていつでもバラまける

大事な客だからといった扱いをする気は毛頭ない


あたしを訴えることが出来るのならやって見ろと言う

まぁ、有り得ないが



ましてや、遠藤を庇っているつもりでもない

コイツが人を殺そうが殺さまいがどうでもいい



『教えないっていうのは言葉違いだな。教えてもいいが、聞いても無駄だ』


「それを決めるのは俺だ」


『はいはい。確か依頼者は花田実結‐ハナダミユウ‐。内容は単純に目障りだから、だったかな?』



多分、そうだったと思う、そんないちいち細かく覚えちゃいられない

だが......


『花田実結を探して捕まえようとも、殺そうともするのは無理だぞ』


「何故だ」


『ソイツもあたしが殺したから』


「殺した?依頼者をか?」


『あたしは依頼者だからと言って特別な扱いをする気はない。お前にとっては嬉しいことだろ?依頼者が死んで』


「ふざけるな。人の命をなんだと思っているんだ!」


< 406 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop