零度の華 Ⅱ
『教えねーよ』
「今更お前がプライバシーの保護だなんて言うのか?ふざけるな」
その言葉にイラッとした
別にプライバシーの保護だなんて言わねーよ
依頼者の情報なんていつでもバラまける
大事な客だからといった扱いをする気は毛頭ない
あたしを訴えることが出来るのならやって見ろと言う
まぁ、有り得ないが
ましてや、遠藤を庇っているつもりでもない
コイツが人を殺そうが殺さまいがどうでもいい
『教えないっていうのは言葉違いだな。教えてもいいが、聞いても無駄だ』
「それを決めるのは俺だ」
『はいはい。確か依頼者は花田実結‐ハナダミユウ‐。内容は単純に目障りだから、だったかな?』
多分、そうだったと思う、そんないちいち細かく覚えちゃいられない
だが......
『花田実結を探して捕まえようとも、殺そうともするのは無理だぞ』
「何故だ」
『ソイツもあたしが殺したから』
「殺した?依頼者をか?」
『あたしは依頼者だからと言って特別な扱いをする気はない。お前にとっては嬉しいことだろ?依頼者が死んで』
「ふざけるな。人の命をなんだと思っているんだ!」