零度の華 Ⅱ



理解してもらうことを望んではいない



それより、話が長くなり過ぎたな

早くコイツを始末して帰ろう


遠藤が警察(奴等)を呼ばないとは限らないからな

鉢合わせはしたくない



『さて、話はここまでにして勝負はあたしの勝ち。お前はここで死んでもらう。あたしのことを知ってしまっているからな』


「勝負は引き分けだろうが。それに俺は死なない」




あたしが内ポケットに手を入れると同時に遠藤も内ポケットに手を入れた

そして、それを出すスピードもほぼ同じで向けられたそれ越しにお互い動かない

拳銃はしっかりと手に握られ、向けられた銃口は互いの頭に向かっていた



「それを下ろして手を上に上げろ」


『その言葉そのまま返す』



遠藤がどれだけ銃の腕がいいかは分からないが、あたしの方が上のはず

銃撃戦になろうとも確実にあたしが勝つに決まっている



そう思って余裕の笑みを浮かべたと同時に、頭の中にキーンという警告音のような高い音が鳴り、その後激しい頭痛に襲われた

反射で片方の手を頭に当ててしまったことで、遠藤に隙を与えてしまったと思った時には遅く、銃声が響く

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