直感的結婚~恋はこれから~
泰士さんの運転する車は家とは別の方向に走る。家に真っ直ぐ帰らないのかな?


「どこに行くんですか?」

「俺の実家」

「え、どうして?」

「母さんから帰りに寄れと連絡があってね」


泰士さんがいつもより早くに終わらせた理由が分かった。でも、何で急に呼ばれたのだろう。

彼の実家に行くのは二回目である。一回目は私の紹介と結婚する報告のために行った。

彼の両親は突然の話に驚いていたけれど、すぐ認めてくれた。

これまでも泰士さんの決意に反対することはなかったそうだ。息子を信頼しているらしい。


「後ろに箱があるんだけど、それ美琴が父さんに渡して」

「お父さんにですか? ……これって何ですか?」


後ろの座席に置いてある紙袋を取ると中にはラッピングされた箱が入っていた。箱はずっしりと重い。


「父さんの好きな日本酒。今日誕生日なんだよ」

「ええっ? お誕生日? 泰士さん、そういうことは前もって教えてくださいよ」


教えてくれていたら私も何か用意出来たのに。
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