最初で最後の恋だから。ーセンセイー
「どうぞ。」

家に招き入れられてキッチンに通された。

「ゆずちゃん、ブッシュドノエル作ろ~。」

「うん。」

「手伝うことある?」

聖さんは紗智に声を掛ける。

「手伝うことはないけど、ここに居て??」

「邪魔にならない?」

「ゆずちゃん、大丈夫だよね??」

「大丈夫なので傍に居てあげてください。」

「解ったよ。」

聖さんの言葉に安心したように紗智は準備を始める。

「何からすればいい?」

「あのねブッシュドノエルのロールケーキは昨日作っておいたんだ。
だからデコレーション一緒にしよ。」

チョコレートを刻んで泡立てた生クリームに混ぜたガナッシュクリームをロールケーキに塗り、両端を切り落とし、フォークで木目を作る。

スライスした果物とチョコペンで作った雪の結晶を飾る。

「完成~。
聖、見て見てっ!!」

紗智が聖さんの腕を掴む。

「可愛くできたね。」

聖さんは紗智の頭を優しく撫でた。

「クリスマスパーティ始めようよ。」

「そうだね。」

「ゆずちゃん、哲君呼んで来て~。
リビングにいると思う。」

紗智に言われてキッチンの隣のリビングに行くと古賀君がいた。

「古賀君。」

「柚依。」

「クリスマスパーティ始めるって。」

「解った。」

紗智と聖さんがリビングに食べ物と飲み物を運んできてくれた。

「メリークリスマス!!」

紗智が声を掛けてクリスマスパーティが始まった。



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