最初で最後の恋だから。ーセンセイー
「今日は晴れてるけど。」

寝起きだったらしいあかりはいつもに増してぶっきらぼうだ。

「水沢さんに話があって。」

「何の話?」

「家庭科部に入ってくれないかなと思って。」

「あたしが?」

「うん。」

「本気?」

「うん。」

あかりは少しの沈黙の後で言った。

「・・・あんたが茶道部はいるならいいよ。」

「私が茶道部に?」

「茶道部も先輩が卒業して人数足りないから。」

「分かった。」

「茶道部の活動は月曜日、場所は茶道部室だから。」

「水沢さん、ありがとう。」

「別に、お礼言われる程の事じゃないし。」

チャイムがなったのであかりと共に教室に急いだ。
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