最初で最後の恋だから。ーセンセイー
図書館には明かりがついていた。

誰が居るのだろう。

扉を開けるとすぐ見えるカウンターには古賀君がいた。

「助けてやれなくて、ごめん。」

「ううん。」

「怪我したのか?」

「大丈夫。
伊藤先生、応急処置してくれたんだけどちょっと大袈裟だよね。」

そう言って笑って見せた。

「伊藤が助けてくれたのか?」

「うん。」

「俺、情けないな。
お前のこと守ってやりたいとか言っといて。」

ギギッと扉を開ける音がする。

「哲君、ゆずちゃん見つかった?!」

紗智が、重そうにドアを開けて館内に入ってくる。

「ゆずちゃん!!」

ぎゅっと紗智が抱きしめてくる。

「哲君が血だらけでゆずちゃん見なかったかって聞くから何があったのかと思ったよ~。」

紗智は泣き出してしまった。

「ごめん、大丈夫だから・・・泣かないで。」

「ゆずちゃん探しても見つからなくて伊藤に言ったら俺が探すって。」

コトンとひっかかっていたつかえがとれた。

どうしてあの場に先生が現れたのか気になっていた。

「ゆずちゃん、一緒に帰ろ?
同じ方向なんだし。
ね、いいよね?」

「うん。」

私が拒絶してきた人の感情は温かい。

取り戻してもいいのだろうか。

誰かを信じる心を。

家につくと制服のまま私はベットに横たわりそのまま浅い眠りについた。

夜遅く、起き出してきてハーブティを飲むと今日の事を思った。

足をさすると、ドキドキした。

(なんだろう・・・変な感じ)

その後、宿題を始めてもしばらくドキドキは止まらなかった。
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