午前0時のシンデレラ

彼女がサンドイッチのパッケージを開けるのに、口をひらくと、

「…また、それですか?」

と、クスッと笑った。

口に入れてくれるのを、指ごとくわえて、

「…キャッ…」

と、手を引っ込められる。

「……公園の時と、反応が同じなんだな…」

引っ込めた指を、つかんで引き戻す。

「……だって、恥ずかしいのは一緒ですから……」

うつむいて言う彼女に、

「……あの時よりも、もっと俺は……」

つかんだ手に、口づけて、

「……君を……」

甘いセリフのひとつも囁くはずが、中途半端でまるで言葉にもならなかった。


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