それでは始めましょう
「すっごく嬉しい事や、楽しい事、なかったって言ってたよな?じゃあ、ふつーに嬉しい事や、楽しい事ってあった?」

ガンちゃんの質問をよく考えてみる。普通に嬉しかった事、楽しかったこと…。

「…あった…」

甘い声で『教えて?』なんて言われて顔が熱くなる。

「ガンちゃんが私の無茶振りに付き合って歌ってくれた。嬉しかったし、楽しかったよ?」

『それかよ!』と早いツッコミをいれながら苦笑いのガンちゃん。

「あと、今日おかしいこと気づいてくれた。話、聞いてくれた。『素直になれ』って教えてくれた。…嬉しいことだよ」

言葉にしてみたら実感がわいてきた。『ちゃんと私を見てくれている人』がいる。それって…

「普通に、じゃなくて、すっごく嬉しいことかも!」

勢いで顔をあげてみると、思った以上にガンちゃんの顔が近くにあった。

「ガンちゃん!近い!近いっすよ!」

のけぞって逃げようとすると、片手だけでなく両手で頬を挟まれた。



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