晴れのち曇り ときどき溺愛
「こちらこそ初めまして。諸住梨佳です。今日は素敵なパーティにお招きいただきありがとうございます。下坂さんとは一緒にシステム課で働かせていただいております」

「お会いできて光栄です。春臣とはオックスフォードに留学をしていた時からの付き合いで仲間内で集まってよく飲みます。今日も先ほどから、春臣と一緒にこの会場に来たあなたのことをみんな知りたがっていたんです。会社で一緒に働いているのですね。まあ、それはさっき隆二と絵里菜から聞きましたが」


『春臣』とファーストネームで呼び合うほどの仲の長田さんはそんな下坂さんの言葉は全く聞いてなかったようで、次々と話し出す。下坂さんが視線を集めているのは分かっていた。でも、まさか私までそんなに見られているとは思わなかった。



「隆二と絵里菜がもう来ているのか?」


 隆二…。進藤さんのお兄さんの進藤隆二さん。玲奈がお見合いをするはずだった人はどんな人なのだろう。


「さっき挨拶に来たけど相変わらず仲のいい兄妹だよ。似てないから何も知らなかったら恋人にしか見えない。お互いに面倒くさい虫除けなんだろうけど、あそこまで綺麗だと、それはそれで困るよな。話は変わるけど、今回のシステム。かなりよかった。会社内でもかなり好評で本当に助かっている。春臣に作って貰ったとかなり宣伝しておいた」

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