晴れのち曇り ときどき溺愛
 ホテルのバーはホテルの上階にあり、そこからの窓越しの眺めは一つのエリアを独占できる眺望を誂えていた。眼下に広がるその光景は宝石箱を零したかのように眩く夢の世界だった。


「食事は適当に頼んでいい?飲み物は何にする?」

「ミモザをお願いします。食事はお任せします。」


 飲み物だけ私は選ぶと、その後の食事は下坂さんが頼んでいく。少し摘むという感じではなく、がっつり食べるつもりなのか色々とテーブルには並んでいく。


「何が好きか分からないから色々頼んでみた。好きなのを食べてくれたらいいから。俺はガッツリ食べたい気分なんだ。四葉に会って気分が削がれた。ローストビーフも食べそこなった」


 さっきは平然としていたけど、下坂さんは四葉さんのことをよくは思ってないらしい。


「お友達なんですよ…ね」

「友達というか、同級生。俺と隆二と四葉は同じ高校の同級生なんだよ。元々、俺と隆二はずっと仲がよかった。でも四葉は自分の家の権威を使ってクラスの友達に嫌がらせをしていたんだ」


「そうなんですね」
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