魅惑への助走
「武田さんも、以前は小説家目指していたんだよね。今は執筆はしてないの?」
「うん」
「それこそ後悔しない? 今からでも遅くはないから、仕事の合間にでも」
「もういいの。私は今の仕事のほうが大事になったから」
「強がってない?」
「うん。今の私の関心事は、もっと仕事で軌道に乗ることだから」
それは上杉くんのいう強がりなどではなく、全くの本音だった。
SWEET LOVEをもっと大きくしたい。
女性向けAVを、もっと世間に広めたい。
昔夢見ていた作家デビュー、印税生活、人気作家、直木賞・芥川賞、果てはノーベル文学賞……といった夢よりも。
今の私には、目の前のAV作品の売り上げをアップさせることのほうがいつしか大切になっていて。
遠い夢は見なくなっていた。
自分はそれで後悔はしていないのだけど、上杉くんが易々と夢をあきらめてしまうのを、目の前で黙って見ていることはできなかった。
「うん」
「それこそ後悔しない? 今からでも遅くはないから、仕事の合間にでも」
「もういいの。私は今の仕事のほうが大事になったから」
「強がってない?」
「うん。今の私の関心事は、もっと仕事で軌道に乗ることだから」
それは上杉くんのいう強がりなどではなく、全くの本音だった。
SWEET LOVEをもっと大きくしたい。
女性向けAVを、もっと世間に広めたい。
昔夢見ていた作家デビュー、印税生活、人気作家、直木賞・芥川賞、果てはノーベル文学賞……といった夢よりも。
今の私には、目の前のAV作品の売り上げをアップさせることのほうがいつしか大切になっていて。
遠い夢は見なくなっていた。
自分はそれで後悔はしていないのだけど、上杉くんが易々と夢をあきらめてしまうのを、目の前で黙って見ていることはできなかった。