魅惑への助走
 「痛いんだけど!」


 「すっ、すみません」


 片桐はりらさんに終始敬語。


 しかも怒られてばっかりだ。


 ……りらさん演じるエリートOLは、片思いの恋を終えたばかり。


 プライドが邪魔して、恋心を打ち明けられずにいた男とは、仕事場ではずっといい感じだったのに。


 彼にはりらさんは「女」としては写っていなかったようで、合コンで知り合った手軽な女とゴールインしてしまう。


 事実を知らされたりらさんは、付き合っていたわけではないものの、どこか振られたような感じで。


 投げやりな思いのまま参加した飲み会の帰り道、チンピラに絡まれ襲われそうになる。


 そんなりらさんを窮地から救ったのが、片桐演じる暴走族のヘッド。


 ヘッドはとても強くて、無数の部下を率いていて、チンピラなどたちまちにして蹴散らしてしまう。


 その強さを目の当たりにしたりらさんは、自分とは正反対の世界に生きる片桐との突然の出会いから程なくして恋に落ちる。


 ところがいざこれから……という時、りらさんは片桐が女性経験ゼロであることを知る。


 ヘッドとしてのストリートでの比類なき強さと、ベッドの上での初心者ぶりとのギャップ。
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