魅惑への助走
 「あんな青白い男とやってて、楽しい?」


 私に覆い被さり、上から尋ねてくる片桐。


 「もっと開発してあげようか」


 「……」


 酔いで体の自由が利かないのと、かなり鍛え抜かれた片桐は力があり、押さえつけられたまま身動きが取れない。


 このままだと、好きなようにされるだけ。


 「あんな弱そうな男じゃ、明美ちゃん満足できないでしょ?」


 次に片桐の手は、私の下半身のほうへと進み。


 無理矢理既成事実を作ってしまおうと……?


 「やめて」


 抵抗は無意味。


 この時私は、痛いほど思い知らされた。


 昔、好きでもない男と関係を持っても、「ただ粘膜の上で触れ合うだけ。ただそれだけ」と割り切り強がっていた。


 でも今は、死ぬほど嫌。


 もう、好きでもない人とはあんなことしたくない。


 奥まで触れ合い感じ合うのは、好きな人とだけがいい!
< 276 / 679 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop