魅惑への助走
 「それは……」


 りらさんの指摘どおり。


 作家志望時代も、生活のためだと理由付けして、一度体を使ったら。


 要求が相次ぐようになった。


 「こっぴどく拒絶しそうな女を避けて、すぐにやらせる女を嗅ぎ分ける男の嗅覚は、野性の本能もびっくりなんだから」


 「はい……」


 りらさんのお叱りに、私は身を縮めて聞いていた。


 「私もAV女優だから、すぐにやらせるって偏見持たれやすいけど。AV業界で働くあんたも、性に緩いとか性的なことが大好きでそういう仕事を選んだんだって。世間一般にはかなりの確率で誤解されてるってことを、常に認識してなきゃだめよ」


 「そうなんですよね……」


 自分の欲求不満を作品にぶつけているとか、撮影シーン見ながら興奮してる……などと決め付けられることは多い。


 性産業に従事している、イコール性的な行為が大好き、イコールすぐにやらせるとレッテルも貼られやすい。
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