魅惑への助走
 「そう言ってもらえると、嬉しいけど」


 りらさんはそっと微笑んだ。


 「でも、引退なさったら寂しくなりますね……」


 AV女優に留めておくには惜しい存在だと思いつつも、いざ引退発表が現実のものになると、きっと寂しくなる。


 「ま、今すぐには引退する予定はないんだよね。まだ出会ってないし」


 「どなたとですか」


 「私ね、この業界に入ったからには、最高のAV男優と共演したいんだ。そしてその共演を最後に、引退するって決めているの」


 女の私からしても、いつも凛としてかっこいいりらさん。


 そんなりらさんが、突如として少女のような表情で夢を語った。
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