魅惑への助走
 「最高のAV男優、ですか」


 私はくり返した。


 「今人気のある、どなたかのことですか」


 現時点でトップクラスの地位にある、人気男優の誰かかと考えた。


 「ううん。そんな男優には、まだ出会ってない。こっちが感動するくらいに、圧倒的な存在感を持った男優と共演するまでは、この仕事続けることにしてるの」


 最高の男優とは、まだ見ぬ誰か。


 そんな男優と出会うまで、りらさんはAV女優を続けると宣言する。


 りらさんにそこまで想われる男優は……。


 「イケメンだとか、テクニックがあるとか、それだけじゃなくて」


 身も心も何もかも委ねてしまいたくなるくらいに、絶対的な人。


 そんな男優との共演を最後に、りらさんはAV女優を引退したいと語る。
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