魅惑への助走
 ここでの撮影は、椿ちゃん演じる独裁国家からの暗殺者・サツキ(日本名)が。


 最後の夜ということを隠し、敵であるスナイパーのリョウ(演・武石タケシ)さんをベッドに誘うところから。


 世界最強のスナイパーで、名前がリョウ?


 しかも作品のタイトルは、『メガロポリス・スナイパー』。


 どこかの漫画で読んだことのあるような設定だけど……?


 それはともかく、この物語のヒーロー&ヒロインは、正体を知られれば互いに殺し合わなければならない間柄。


 しかもサツキは、今夜リョウを殺さなければならない。


 真っ向勝負を仕掛けても、銃の腕はリョウには敵わないので。


 一瞬の隙に、銃口を彼に向けるしか方法はない。


 最大の隙……セックスの絶頂の時。


 その一瞬の隙を狙って、サツキはリョウがシャワーに出向いている間に。


 ピストルを枕の下に忍ばせた。
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