魅惑への助走
「そんな感じかな。例えば少年漫画の週刊誌だって、女の子でも読んだりするし、女の子に人気の高い作品だってあるでしょ」
「はい」
「その需要を、私たちは狙っていこうとしてるんだよね。飽和状態の市場ではなく、あらたな市場確保のために」
「ばらちゃん。それ以上は企業秘密」
松平監督が、先輩の言葉を遮る。
榊原先輩はこの場では、「さかきばら」の下の二文字に由来すると思うのだけど、「ばらちゃん」と呼ばれていた。
「あ、すみません。つい……」
先輩は慌てて言葉を飲み込んだ。
企業秘密?
「ま、武田さんは程なく私たちのチームに加わってくれると信じてるから。別に聞かれてもいいんだけどね」
「えっ」
「とりあえず武田さん、今度一作書いてみて」
監督が笑顔で告げる。
「先ほども申しましたが、無理です私。普通の恋愛小説しか書いたことないですし、官能系はちょっと」
「その恋愛小説には、性描写はないの?」
「たまに……と申しますか、時折」
「それで十分よ。そういうシナリオがぴったりなの。これから私たちが作ろうとしているのは」
「はい」
「その需要を、私たちは狙っていこうとしてるんだよね。飽和状態の市場ではなく、あらたな市場確保のために」
「ばらちゃん。それ以上は企業秘密」
松平監督が、先輩の言葉を遮る。
榊原先輩はこの場では、「さかきばら」の下の二文字に由来すると思うのだけど、「ばらちゃん」と呼ばれていた。
「あ、すみません。つい……」
先輩は慌てて言葉を飲み込んだ。
企業秘密?
「ま、武田さんは程なく私たちのチームに加わってくれると信じてるから。別に聞かれてもいいんだけどね」
「えっ」
「とりあえず武田さん、今度一作書いてみて」
監督が笑顔で告げる。
「先ほども申しましたが、無理です私。普通の恋愛小説しか書いたことないですし、官能系はちょっと」
「その恋愛小説には、性描写はないの?」
「たまに……と申しますか、時折」
「それで十分よ。そういうシナリオがぴったりなの。これから私たちが作ろうとしているのは」