魅惑への助走
「……またオフィスラブですか」
ため息を隠せない私。
携帯小説サイト「magic theater」の担当編集者・梨本さんと電話で、次回作に関する打ち合わせをしていた。
「やはり売れ筋はオフィスラブだから。次もそれでお願いしたいの」
「……」
私は携帯小説処女作をこのサイトに掲載し、その時期開催されていたコンテストに応募。
元々楠木さんのバックアップを受けていたこともあり、すんなり受賞。
(いわゆる出来レースだったことは否めない)
第一回大賞受賞者という名誉ある称号を得た私は、その後連載する作品全て書籍化されるという特権を事実上手にすることができた。
書いた作品が全て本として形に残せるという、夢のような地位。
子供の頃から作家志望だった私は、ついに夢を手にしたように思えた。
しかし。
思い描いていた夢イコール現実そのものとは限らなかったのだ。
「私、オフィスラブは正直苦手で……」
「そうはいいつつも、毎回大ヒットしてるでしょ。あんな感じで、登場人物の勤務先など設定をちょこっと変えただけの王道ストーリーなら、何でもいいから」
その後一方的に、執筆スケジュールなどを伝えられた。
ため息を隠せない私。
携帯小説サイト「magic theater」の担当編集者・梨本さんと電話で、次回作に関する打ち合わせをしていた。
「やはり売れ筋はオフィスラブだから。次もそれでお願いしたいの」
「……」
私は携帯小説処女作をこのサイトに掲載し、その時期開催されていたコンテストに応募。
元々楠木さんのバックアップを受けていたこともあり、すんなり受賞。
(いわゆる出来レースだったことは否めない)
第一回大賞受賞者という名誉ある称号を得た私は、その後連載する作品全て書籍化されるという特権を事実上手にすることができた。
書いた作品が全て本として形に残せるという、夢のような地位。
子供の頃から作家志望だった私は、ついに夢を手にしたように思えた。
しかし。
思い描いていた夢イコール現実そのものとは限らなかったのだ。
「私、オフィスラブは正直苦手で……」
「そうはいいつつも、毎回大ヒットしてるでしょ。あんな感じで、登場人物の勤務先など設定をちょこっと変えただけの王道ストーリーなら、何でもいいから」
その後一方的に、執筆スケジュールなどを伝えられた。