魅惑への助走
「やっぱり明美ちゃんは満たされ過ぎているから……。日々の生活の中で妄想に励みにくいのかも」
梨本さんの持論では。
日々の生活(特に恋愛面)に満たされていない作家ほど、甘いシーンを上手に描写できるとのこと。
シンデレラストーリー、ドラマティックな恋愛、甘い生活。
それらを実際に体験した人・もしくは現在進行形で体験中の人は、現実というステロタイプに縛られて妄想が進んでいかないとのこと。
満たされていない、欲求不満のある作家ほど、夢はうず高く妄想は果てしなく進んでいく傾向にあると。
「明美ちゃんは文章も上手いし、作品の構成もしっかりしているし実力は折り紙付き。ただ……甘いシーンがちょっと物足りないの。あんな素敵な旦那様がいるんだから、旦那をモデルにもっと赤裸々に書いてほしいって第三者的には願ってしまうんだけどね」
それが案外難しい。
いつもそばにいる人を思い浮かべてしまうと……、どこか恥ずかしくて妄想が進まない。
描写にブレーキがかかってしまう。
だから相手役のモデルは、外部に求めてしまう。
ところがその手法も、過激な描写に入っていこうとすると、どこか浮気をしているような気持ちになって筆が進まない。
梨本さんの持論では。
日々の生活(特に恋愛面)に満たされていない作家ほど、甘いシーンを上手に描写できるとのこと。
シンデレラストーリー、ドラマティックな恋愛、甘い生活。
それらを実際に体験した人・もしくは現在進行形で体験中の人は、現実というステロタイプに縛られて妄想が進んでいかないとのこと。
満たされていない、欲求不満のある作家ほど、夢はうず高く妄想は果てしなく進んでいく傾向にあると。
「明美ちゃんは文章も上手いし、作品の構成もしっかりしているし実力は折り紙付き。ただ……甘いシーンがちょっと物足りないの。あんな素敵な旦那様がいるんだから、旦那をモデルにもっと赤裸々に書いてほしいって第三者的には願ってしまうんだけどね」
それが案外難しい。
いつもそばにいる人を思い浮かべてしまうと……、どこか恥ずかしくて妄想が進まない。
描写にブレーキがかかってしまう。
だから相手役のモデルは、外部に求めてしまう。
ところがその手法も、過激な描写に入っていこうとすると、どこか浮気をしているような気持ちになって筆が進まない。