公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
私に協力していても、それはジェイル様に命じられたから仕方なく手伝っているのだと、彼は言いたいようだ。
「文句なら、ジェイル様に言って」と冷たく言い返した後に、「安心してください」と付け足した。
「なにをですか?」
「オズワルドさんは、私をジェイル様の伴侶にしたくないのでしょう? それなら心配無用だわ。花嫁候補者を蹴散らしても、私は彼の妻になる気はないから」
「それはよい心がけですね。どうかその調子で求婚を拒み続けてください」
冷たい空気が肌を刺すのは、室温のせいだけではないだろう。
オズワルドさんはジェイル様の命令に忠実な近侍だが、この胸に契約のバラが刻まれた夜は、思いがけずにジェイル様に意見している様子を立ち聞きしてしまった。
自分より十ほども若い当主が道を踏み外さないよう、心配している様子でもある。
オズワルドさんの中で、私は彼の妻として不適格という認識は継続中らしく、それは私も同じ思いないので特に反論すべきことはない。