今度産む


あっちの相性がよかったのはもちろん、おそらくは彼女は性に対して非常に積極的。
いわゆる肉食系というヤツだった。


宿泊した翌朝、気持ち良い心地で目覚めると、彼女が身体のいたるところにキスを落としている行為が目に飛び込んでくる。


「フフフ、おはよう」

さすがに男のオレでもどんだけだよと思う。
思うけど、心と体は別物。

身体は彼女の与えてくれる刺激に素直に反応していく。


あ、でもゴムねぇし……。

「待って。アレなくね?」

彼女は顔を上げる。
すでに上気していてやめる気はさらさらなさそうだ。

「大丈夫だよ。私、ピル飲んでるから」


あの当時、ピル(経口避妊薬)に対して、
“飲んでれば大丈夫、100パー妊娠しない魔法の薬”
ぐらいの認識だったオレにとって、それはものすごくありがたい頼もしい言葉だった。


だからなし崩し的にオレは快楽に忠実に従った。


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