ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】
「箱崎さん。 もう、大丈夫?」
今更ながらに聞き覚えのある声だと、気付いた。
知り合いだ。
というか、
ガバッ!
と、タオルを勢いよく顔から離す。
暗がりでは、完全に確認はできないが、確信はしていた。
「た、たた、たたっ、丈斗くん!?」
「うん? もちろん、そうだよ」
いやいやいやいや。
いやいやいやいやいやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
マジか?
魔法か?
マジカルマジか?
私は、優しく慰められるシチュを、気付かずに!?
「・・・・・はっ! ふんっ!」
私は、タオルと顔の間に鼻水ブリッジが、建設されていることに気付き、素早くタオルを小窓から投げ出した。
「あ」「あ」
投げてから、タオルが借りものだったことを思い出した。
「うわぁああぁぁぁっ! ごめん!」
叫びながら、マッハで回収に向かう。
そんな私を、丈斗くんは、やんわりと進路妨害する。
「せっかく乾いたのに、また濡れちゃうでしょ?」
「うぐっ」
そう言われると、何も言い返せなかった。
「タオルは乾かす為にあるんだよ。 存在意義を否定したらかわいそうだよ」
丈斗くんは、謎理論を展開しているけど、
私は、ただ、うなずくしかなかった。