同居人は国民的アイドル
「………ふーん」
廉くんはそう言ったきり何も言わない。
そのせいで、廉くんがどう思っているのか全くわからない。
「え、えと…………どうかな」
評価を聞くのは怖い。
でも、廉くんの気持ちが聞きたくてそっと問いかける。
私の髪を見つめていた廉くんが、すっと視線を逸らした。
その真意を考える間もなく、
「…………いいと思う」
廉くんがたしかに、そう呟いた。
「えっ?」
今…………
今、いいって言った!?
言ったよね!?今、いいと思うって!!!
さっきまでの不安が嘘のように、喜びが胸にこみ上げてくる。
だって、廉くんがいいって言ってくれたんだよ!?
こんな嬉しいことはないよ。
「ほんと!?おかしくない!?変じゃない!?」
あまりの嬉しさに、思わず廉くんの腕を掴んで聞いてしまう。