To be alive again
不満げな翠を他所に彼はさっさと食べ始めてしまったので、翠も渋々お味噌汁を一口。
慣れ親しんだ美味しさに少し気が緩んでから気がついた。
…あれ?私このお店初めてだよね?
でも…この味は…知ってる。
よく飲んでいる、彼の作るお味噌汁と同じ味だ。
「ねぇ、先生。先生のお味噌汁とおんなじ味がする」
「そうかもな」
「なんで?」
「出汁とか味噌とか一緒だからじゃないか?
ここで仕込まれたし」
「え?先生、ここで料理習ったの?」
意外なんだけど彼は当たり前のように鰹節と昆布で出汁をとる。
冷蔵庫で二・三日なら持つから、まとめて数日分とってあって、沸かしてお味噌と具材を入れるだけで凄くおいしいのが出来る。
翠の家ではインスタントのだしをつかってたから、すっごくびっくりした。
「習ったと言うより仕事だな」
「バイト?」
そう聞くと、彼は一瞬手を止めて、翠を見て少し含みの有る笑みを見せた。