To be alive again


不満げな翠を他所に彼はさっさと食べ始めてしまったので、翠も渋々お味噌汁を一口。

慣れ親しんだ美味しさに少し気が緩んでから気がついた。

…あれ?私このお店初めてだよね?

でも…この味は…知ってる。

よく飲んでいる、彼の作るお味噌汁と同じ味だ。

「ねぇ、先生。先生のお味噌汁とおんなじ味がする」

「そうかもな」

「なんで?」

「出汁とか味噌とか一緒だからじゃないか?

ここで仕込まれたし」

「え?先生、ここで料理習ったの?」

意外なんだけど彼は当たり前のように鰹節と昆布で出汁をとる。

冷蔵庫で二・三日なら持つから、まとめて数日分とってあって、沸かしてお味噌と具材を入れるだけで凄くおいしいのが出来る。

翠の家ではインスタントのだしをつかってたから、すっごくびっくりした。

「習ったと言うより仕事だな」

「バイト?」

そう聞くと、彼は一瞬手を止めて、翠を見て少し含みの有る笑みを見せた。
< 17 / 97 >

この作品をシェア

pagetop