To be alive again
一気に不満が吹っ飛んで、美味しく海鮮丼も小鉢も平らげた頃。
「お茶をどうぞ」
開けっ放しだった個室の入り口から入ってきたのは、さっきの板前さん。
「…何しに来たんすか?」
彼のこういう口調は初めて聞いて、凄く新鮮。
「そりゃ、お前の彼女見に来たに決まってんじゃん?
お前、渚の居ない時間狙っただろ」
「そんなこと無いですよ。
まー、居なきゃ良いなーとは思ってましたけど」
彼と何か会話した後、その人は意味深に翠を眺める。
「どうも、松尾健介です」
「あ、えと、北川翠です」
予想外に名前を告げられたので慌てて翠も自分の名前を告げて、小さく頭を下げる。
そして、訪れた奇妙な沈黙。
最初に口を開いたのは、健介さんだった。
「えーと…真一郎君?君なんか言うことあるんじゃねーの?」
「いや?何もないっすよ?」
「…えー…お前マジか?うわ…」