To be alive again

「ねぇ、先生?あのね…」

翠は前々から思ってたことを折角だから言おうと思って口を開いた。

「ん?」

「えと、いっつもご飯…ご馳走になってばかりでなんか…落ち着かないんだけど…」

彼の部屋で一緒にご飯を食べる時は食費はもちろん彼。

たまに出かけた時だって、さらっと彼が会計を済ましてしまう。

さっきのランチだって、きっとそれなりにしたんじゃないかと思った。

「最近、毎日一緒に居るでしょ?
時々ならまだしも、いつもだと申し訳なくて
私、お給料も貰ってるし、ちゃんと払うよ
…子供じゃ…ないから…」

もう、高校生じゃない。

彼は翠をちらりと見て、小さく笑う。

「そんなこと?」

そんな事でさっきから黙り込んでたの?と言う様にいわれて、翠は口を尖らせた。

違うもん。

と、心の中で返す。

そっちはもう決めたのだ。

彼のことをちゃんと信じる、と決めたのだ。

「拗ねるなよ」

伸びてきた手に口を摘まれて、非難がましく彼を見てしまう。

「そもそも子供だなんて思ってないし。
子供だと思ってたら、連れてきてない」

意味がよく判らなくて首を傾げてしまう。

バイトをしていたお店がそんなに重要なものなの?

再び思い出す健介さんの言葉。

 『ここに連れてくるってことは、君の事本気だから』

…あのお店は、先生の何?

食事の時にはぐらかされた疑問がまた沸き起こってくる。
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