To be alive again
「飯くらい気にしなくていーぞ。
お前そんなに食わないし、一人分作ってんのと大差ない。
それにさっきのは、俺も払ってないし」
え?払ってないの?
…言われてから、はたと考える。
あれ…?そういえば…お会計…してるトコ見なかった?
色々悶々と考えていて、そこまで気が回ってなかったけれど…
伝票はもちろん、彼のお財布も今日は見ていない。
値段は幾らだとか、そんな話を一言も聞いていない。
きいていたのは、彼と健介さんの軽い口調のやり取りだけだった。
…え?え?それって食い逃げになるんじゃ?
不安になった翠の気持ちを読んだように彼は続けた。
「気にすんな。あれは殆どきれっぱしや残りもんだから」
「え、そういう問題じゃ…」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ」
そういう問題じゃ無いんじゃない?本当に。
彼はというと、翠を眺めて面白そうにニヤニヤしてる。
「ねぇ、先生。
大丈夫の意味が全然わかんないんだけど」
膨れた翠をチラッと横目で見て、彼は言った。
「ほんとにいいんだよ、実家だから」