To be alive again


ちょうど赤信号に差し掛かって車が止まった間に、彼はポケットに入ってたスマホを翠に放ってきた。

「さっきから電話うるさいから持ってて」

言われた矢先に着信が入って、翠のひざの上でスマホが震える。

大きな画面には一文字「渚」と表示されていた。

「姉貴」

「え?」

「4つ上の姉貴、渚っつーの。

で、健さんは渚の旦那な」

お茶を持ってきてくれたときの健介さんと彼の会話を思い返す。

あの時の微妙な沈黙、健介さんはあれで彼が翠にここが実家であることを明かしてないことも、明かす気が無い事にも気づいたんだ。

そして言わなきゃいけないことって言うのは…ここが実家であることと、健介さんがお姉さんの夫であること。

そりゃ…そりゃ、性格悪いって言われるよ

うぅ、訊かなくてよかった…。

渚さんって誰?とか、女の人?とか、昔付き合ったことある人?とか漠然と不安に思ったことを全部ぶつけたりしなくて本当によかった、と思ってしまう。

言ってたらきっと…大爆笑されていただろう。

彼のことは大好きだけど、やっぱりいい性格をしている。
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