To be alive again
「ちょっと酷すぎると思うんだけど」
だって翠は、彼の実家に行って何のあいさつもしてないってことになる。
一応、結婚前提で付き合っているというか、嫁においでと言って貰ったはずなのに。
唇を尖らせて彼を睨むと、彼は苦笑して翠の頭を撫でる。
「渚居なかったし、親父も奥で仕込み中で出てこなかったから、つい。」
たしかに紹介する相手が居ないと言えば居ない。
でも実家に連れて行くなら前もって教えてくれたっていいはずだ。
健介さんのことだって、ちゃんと紹介してくれたっていいはずだ。
渚さんの事、待っていたっていいはずだ。
たしかに小料理屋じゃご飯食べに行くのもわかるけど、わかるけど…
すごく騙された気分の翠だった。
ぷぅ、と膨れた翠の表情を相変わらず面白そうに見ている彼に、さっきから気になっていたことを尋ねる。