To be alive again
「…翠?」
名前を呼ばれて、肩に手を置かれてはっとした。
目の前には彼がいて、いたずらを見つかったような気がして心臓がドキドキと早鐘のように鳴る。
記憶と現実が混ざって、今居るのがどこだか判らない。
ここは…どこ?
学校?
彼はスーツじゃない。
ジーンズにロンT、ラフな部屋着。
彼の向こうに見える壁は、彼の部屋の壁。
冷たい学校の廊下じゃなくて、彼の部屋のラグの上。
あぁ、ここは…彼の部屋。
そのことに堪らなく、安堵した。
「せんせ・・・」
ちがう。
ここに居るのは…先生だけど…先生じゃなくて…
「真一郎さん」
名前で呼びなおした翠を怪訝そうに見て、真一郎はクスッと笑う。
「どうした?急に」
名前で呼ぶなんて珍しい、と言う様に言って翠の頭を撫でる。
そう、先生だけど、もう先生じゃない。
真一郎さん、大好きな、大好きな翠の恋人。
それを確かめるように、名前で呼んだ。