To be alive again
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付き合って一月も経っていない恋人が、真一郎は可愛くて可愛くて堪らなかった。
6年、会わなかった。
それなのに忘れられなかった相手。
幼さの残る高校生だった翠は、6年振りに再会した時には、当たり前だけど年相応に大人になっていた。
彼女が真一郎に寄せる絶対の信頼は、高校生の頃から変わらない。
彼女の高校卒業の日、彼女が残して行った気持ちに向き合わなかったのは真一郎だった。
だからこそ、彼女の信頼も、彼女からストレートに伝わってくる「大好き」の気持ちも全部、受け止めないわけにはいかないのだ。
上目遣いで帰りたくないなんていわれたら…、帰らなくて良いよと言ってやりたかった。
だけど今日は駄目だろう、と
翠は真一郎の家に金曜日から3連泊していた。
いくら結婚前提で付き合ってると言っていようが親が心配する。
本当は昨日には帰すつもりだった。
だけど、雨が降っていたから。
翠は雨の降る夜が苦手だ。
涙で潤んだ瞳で見上げられて「ねぇ、お願い。帰りたくない」と抱きつかれて、昨日はあっさりと篭絡された。
真一郎は、翠に泣かれると弱い。
でも今日は…今日こそは帰さないとだめだ、と決意を改める。
「翠、今日は帰れよ」
送っていくからな、と言った真一郎を、翠は不満げな瞳で見上げてくる。