To be alive again
「翠?」
「…ん…」
「眠れそうか?」
「ぅん…」
聞こえてくる翠の声は、ずいぶん眠たそうだった。
むしろ、もう寝言の域かも知れない。
「退屈で寝るのに丁度いいな」
「そんなこと、ないよ
…先生の授業…聴くの好きだったもん…」
寝言も可愛いな、と思ってふと気づく。
…好きだった?
過去形?
なんで授業聴いたことあるんだ?という至極当然の疑問。
高校3年間、一度も翠と教室で会ったことは無かった。
「翠?」
呼びかけてももう、返事はなかった。
「おやすみ、翠」
もう聞こえていないだろうけれどそう告げて、電話を切った。