To be alive again
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駅のロータリーに向かうエスカレーターをスカートを翻して駆け下りる。
仕事にスカートで行ったのは、彼と6年ぶりに会ったあの日以来。
翠は買ったスカートを殆ど履こうとしなかった。
そしたら、先週藍に「そんなに嫌なら下にショーパンでも履けば?」と言われたのだ。
今日はスカートが履きたくて、藍の言うとおり下にショートパンツを履いてスカートを履いた。
「先生!」
車の助手席のドアを開けると、少し驚いたように視線をこちらに向ける彼。
「どうした?」
「なんもないけど」
何もないけど、会いたかった。
昨日も会った、電話で寝るまでずっと話してもらった。
それでも、ちょっとでも早く会いたかった。
「先生、昨夜はありがとう」
朝にもメールを送ったけど、ちゃんと会って御礼を言いたい。
「ん、お前あんなんで寝れんの?」
「うん」
“あんな”なんてこと無かった。
彼の声を聴いて寝たから、昨夜は怖い夢をみなかったどころか、ちゃんと彼が出てきてくれたから。
スカートを履きたいくらい朝から浮かれてたのは、昨日の雨が嘘のような青空と、夢に彼が出てきてくれたからだ。