To be alive again
「いいじゃん、先輩出てくるより先生出てきてほしいもん!」
一瞬、彼の表情が固まって、翠のほうに手が伸びてくる。
「…まだ、そいつ夢に出てくんの」
少し困ったように言って、彼は翠の頭を優しく撫でる。
「…うん」
未だに、あの男は夢の中に出てくる。
必死で逃げる夢をみる。
頻度は減ったけれどやっぱり出てきてしまう。
昔よりは生々しく無くなった気がするから、そういう意味では多少はマシになったのかもしれない。
ため息をついて助手席に座ったままひざを抱えた翠に、彼は何も言わなかった。