To be alive again
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「翠、着いたぞ」
声をかけると漸く翠は顔を上げたけれど、またシュンと俯いてしまう。
…7年前の野郎の事なんてさっさと忘れてくれないかな、と思わないわけでもないけれど。
引きずってしまうのは仕方がないのかと、考えながら車を降りて助手席のドアを開ける。
「ほら、降りな」
なんだったら抱っこして連れてってやるよ?と言うと、さすがに「へいきだもん!」と拗ねた口調で返ってきた。
いつもだったら夕飯を先に済ますのだけど、今日は家に着くなり翠を抱きしめた。
…家に帰すって宣言したばかりなのに、帰したくない気持ちのほうが大きくなっている自分にため息をついてしまう。
自分が翠と同い年位なら、勢いで半同棲になるかもしれないけど…だけど実際は12も年上だしと真一郎は考える。
大学生の延長じゃなくいい歳した大人なんだから…適当に付き合うわけに行かない。