To be alive again
腕の中に納まる華奢な翠の身体、顔を埋めた髪からは昨日までとは違う香り。
翠が昔の事で落ち込んでるのを見るたびに、名前すら聞いていないその男に苛立つし、今更な嫉妬も抱いてしまう。
自分だけ見て欲しい、そう思う。
「翠、抱きたい」
耳元で囁くとくすぐったかったのか肩を竦めて、今から?と言う様に見上げてくる。
答える代わりに、翠の背中をそっと撫でて、腰に手を添えて思い出した。
「…そういや、ショートパンツ履いてんだっけ?」
「今言わないでよ!!」
一気にそんな空気が消し飛んで、間近に見詰め合ったままクスクス笑いあう。
「いやー…別に電車乗んの嫌なのわかるからいんだけどさ。
色気はないよな、うん」
「だってスカート履きたかったんだもん!」
ぷぅと膨れた翠の頭を撫でる。
「飯作るから、ショートパンツ脱いどけよ」
「え…」
「飯食ったら続きするからな」
何その宣言!と翠の抗議を聞きながら、真一郎はキッチンに向かった。