その王子様、結婚してるってよ!
銀縁眼鏡をかけて、長い髪の毛を一本に束ねて結んだ私は女子じゃないの?
身長が160cmもあるから?
でもね、これでも家事能力はあるんだから。
「太らないメニューですよ。
田川先輩もお昼に行ってください。」
うるさいから早く行け、ってのが本音。
「あ~俺ね、弁当あんのよ。
可愛い彼女の手作り弁当。」
ハートが出てきそうな話し方。
この人に、可愛い彼女がいるのが信じられない。
ルンルンと鼻歌でお弁当を出す田川先輩に呆れ、私はお弁当に箸をつける。
「お〜い、花咲いる?」
休憩スペースにやって来たのは、営業2課に配属された同期の羽山くん。
同期と言っても、年は二つ上だ。
羽山さんと呼んだら怒られた。
「はい、いますよ。」
羽山くんは、私がいつもお弁当だと知ってお昼休みにたまに来る。
1人でお弁当を食べる私が可哀想だと思ってるのか?
「あ、田川さんもいたんですね。
失礼しました。」
「羽山くん、本当に失礼〜。」
「花咲、悪いんだけどこの書類を午後一で仕上げてくれない?
15時に先方と打ち合わせなんだ。」
「いいですよ。」