難攻不落な彼に口説かれたら
月のようにどこかミステリアスな彼。

授業中もぼんやり窓の外を見ていることが多かった。

そんな彼の後ろ姿がどこか寂しそうに見えて、心配でずっと目で追っていた気がする。

振られるのがわかってたから告白はしなかったけど、私は彼のことが好きだったんだ。

今となっては懐かしい思い出。

そして、十年ぶりの再会。

多分向こうは、私が高校の時の同級生とは気づいていないだろう。

覚えているかも怪しい。

それにしても片岡君が社長候補だなんて……。

社長の縁者なのだろうか?

「雪乃先輩、どうしたんですか?ボーッとして」

小野寺君が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。

「あ……あのね、さっきエレベーターの中で今古賀さんと一緒にいる彼を見たから、ちょっと驚いただけ」
< 12 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop